102-2. ユーザインターフェイスとデスクトップ
- X11のインストールと設定
- 「/etc/X11/xorg.conf」ファイルでXサーバの設定(入出力デバイスとスクリーンの指定等)ができる
- ファイルセクションで各種設定出来る(ServerLayout, Files, Module, InputDevice, Monitor, Device, Screen)
- 「xhost」コマンドをXサーバで実行しXクライアントに利用許可をする
- xhost [+-] [ホスト名](「+ ホスト名」で追加、「- ホスト名」で削除。「+」で全部許可、「-」で制限。)
- Xクライアントコマンドでウィンドウのサイズや位置等の情報を表示したりできる(showrgb, xlsclients, xwininfo, xdpyinfo, xvidtune)
- 「startx」コマンドでX Window Systemが起動する
- 「/etc/X11/xorg.conf」ファイルでXサーバの設定(入出力デバイスとスクリーンの指定等)ができる
- ディスプレイマネージャの設定
- アクセシビリティ
1. X11のインストールと設定
X Window System
- X Window System(別称:「X11」・「X」)とは、UNIX系OSで利用されるグラフィカルユーザインターフェース(GUI)環境
X.Orgの設定
セクション | 説明 |
---|---|
ServerLayout | 入出力デバイスとスクリーンの指定 |
Files | フォントやカラーデータベースファイルのパス名 |
Module | ダイナミックモジュールの設定 |
InputDevice | キーボードやマウスなどの入力装置の設定 |
Monitor | モニターの設定 |
Device | ビデオカードの設定 |
Screen | ディスプレイの色深度(表示色数)や画面サイズの設定 |
ネットワーク経由でのXの利用
- 「xhost」コマンドでXクライアントがXサーバを利用できるよう許可を与えることが出来る
xhost [+-] [ホスト名]
オプション | 説明 |
---|---|
+ ホスト名 | 指定ホストを接続許可リストに追加 |
- ホスト名 | 指定ホストを接続許可リストから削除 |
+ | 全て接続許可 |
- | 接続続許可リストを有効 |
例) remotepc(Xクライアント) ↓ネットワーク localpc(Xサーバ) ↓ rxt(端末エミュレータ) [lpic@localpc]$ xhost +remorpc // Xサーバで実行 [lpic@remotepc]$ DISPLAY=localpc:0 // Xクライアントで実行 [lpic@remotepc]$ export DISPLAY // Xクライアントで実行 [lpic@remotepc]$ rxvt & // Xクライアントで実行(localpcのディスプレイにremotepcで実行されているrxvtのウィドウが表示される)
Xクライアントコマンド
- X Window System上で、設定を確認したり、様々な情報を集めるコマンドが用意されている
コマンド | 説明 |
---|---|
showrgb | 利用可能な色とRGB |
xlsclients | 実行中のXクライアントを表示 |
xwininfo | 指定したウィンドウのサイズや位置、色深度などの情報を表示 |
xdpyinfo | ディスプレイ情報を表示 |
xvidtune | ディスプレイの表示画面(垂直位置や水平位置など)を調整 |
Xサーバの起動
- X Window Systemの起動の流れは次の通り
2. ディスプレイマネージャの設定
ディスプレイマネージャ
- ディスプレイマネージャとは、ユーザ認証とシェルの起動を扱うソフトウェア
- ディスプレイマネージャには「XDM」「GDM」「KDM」などがある
- XDMでログイン後に特定のアプリケーションを自動起動させたい場合、「/etc/X11/xdm/Xsession」ファイルに起動させたいアプリケーションパスを記述する(全ユーザに適用される)
- ユーザ独自の設定を行いたい場合、ホームディレクトリの「.xsession」ファイルに記述
XDMの設定ファイル | 説明 |
---|---|
xdm-config | XDMの基本設定(パスや基本的なアクセス許可など) |
Xaccess | XDMへのホスト接続許可 |
Xresources | ログイン画面をデザイン |
Xservers | Xサーバとディスプレイの対応 |
Xsetup_0 | XDM起動時(ログイン前)にカラー設定や背景の指定 |
Xsession | ログイン後に起動するプログラムの設定 |
条件 | Xの重要な設定ファイルとディレクトリ | 説明 |
---|---|---|
/etc/X11/xorg.conf | X.orgの基本設定ファイル | |
/etc/X11/xinit/Xclient | デスクトップ環境やウィンドウマネージャの起動(システム全体) | |
~/.Xclients | ユーザごとのXclientsスクリプト | |
startxで起動する場合 | ||
/etc/X11/xinit/xinitrc | startxやinitコマンドで読み込まれるスクリプト | |
~/.xinitrc | ユーザごとのxinitrcスクリプト | |
XDMで起動する場合 | ||
/etc/X11/xdm/Xsession | /etc/X11/xinit/xinitrc.d/ディレクトリ以下のファイルを呼び出しやウィンドウマネージャの起動 | |
~/.xsession | ユーザごとのXsessionスクリプト | |
/etc/X11/Xresources | ログイン画面のデザインやXクライアントの設定 | |
~/.Xresources | ユーザごとのXクライアントの設定 |
ウィンドウマネージャ
- ウィンドウマネージャがXの外観(ウィンドウの外観、メニュー、アイコン等)を制御している
ウィンドウマネージャの種類 | 説明 |
---|---|
twm | 最小限の機能 |
tvwm | 少ないメモリでも軽快に動作 |
Sawfish | Gnomeでの利用にフォーカス |
enlightenment | 高度なカスタマイズが可能 |
Metacity | Gnome標準 |
Fluxbox | 警戒でカスタマイズ性の高い |
WindowMaker | NextStepに似たGUIを提供 |
KWin | KDE標準 |
デスクトップ環境
3. アクセシビリティ
- ユーザー補助機能全般をアクセシビリティという
- その中で、障害者を支援するためのソフトウェアを「AT(Assistive Technology)」という
キーボードのアクセシビリティ
アクセシビリティ | 説明 |
---|---|
スティッキーキー | 複数キー同時押しが困難な場合、同時に押さなくても押したと認識する機能 |
スローキー | 正確にキーを入力できない人のための補助機能、キー押下認識時間を遅くしたり |
バウンスキー | 素早く何度も押したり押し続けた場合、入力を無視する |
トグルキー | キーロック時に音を出して認識させる |
マウスキー | マウスの代わりにテンキーでマウスのポインタを移動させたり、クリック操作をする機能 |
その他のアクセシビリティ機能
アクセシビリティ | 説明 |
---|---|
ハイコントラスト | 視覚障害者用にコントラストを強調 |
スクリーンリーダー | スクリーン上の文字を点字データや音声に変換 |
点字ディスプレイ | 文字データを点字に変換して表示する点字端末 |
スクリーン拡大鏡 | スクリーンの一部を拡大 |
オンスクリーンキーボード | マウスを使ってキーボード入力が出来る |
アクセシビリティを実現するソフトウェア | 機能 |
---|---|
Orca | スクリーンリーダー、スクリーン拡大鏡など |
GOK(Gnome Onscreen Keyboard) | オンスクリーンキーボード |
emacspeak | エディタEmacsにスクリーンリーダ機能を追加 |